日時：1999年 5月 21日（金） 9:30〜17:30
会場：東京外国語大学 四号館 6F大会議室
佐野洋，山口登之（東京外国語大学）
東京外国語大学（以下「本学」）は，人文科学を中心とした中規模大学である． 本学は，平成12年度（西暦2000年）に移転統合事業を開始し，キャンパスが現在の 東京都北区から府中市へと移転する．著者らは過去2年間に渡り，人文科学系大学 という情報技術者層が薄い中で，コンピュータネットワークを中心とする新キャンパス の情報システム設計に係る活動を続けている．本稿では，過去3年以上にわたる 情報システムの設計と導入活動を紹介し，施設設計段階の教育研究システムの考え方と， 本学の教育理念に沿った情報教育の提案，これを実現するための情報システム設備設計について説明する．
神沼靖子（前橋工科大学） 福島又一（埼玉大学 総合情報処理センター）
このレポートは，知的障害者の自立訓練学習にコンピュータを活用した情報システムを 導入することが可能であるかという問題について，フィールドでの分析を行った研究報告である． このフィールド調査では，プロトタイプの改善を繰り返しながら，アクションリサーチを行っている． ここでは自立訓練学習を人間活動システムの枠組みで捉え，個々のシステム環境における問題として， ’これは何のシステムか’及び’そのシステムの目標は何か’という視点で情報を分析している． 具体的な事例として，買い物訓練の学習支援，帰省訓練の学習支援，織物作成における学習支援， 意思伝達支援などの問題を取り上げる．
丹羽時彦（関西学院 高等部）田中一義（日立西部ソフトウェア） 雄山真弓（関西学院大学）
数学の学習は思考力を必要とする．数学を学ぶ上で必要な能力は，(1)事象を数学の記号などを 使って表現できる能力，(2)事象について論理的思考や論理的展開ができる能力，(3)事象をイメージ として捉えられる能力の3つが必要と言われている．教育担当者の課題は，学習者からこれらの能力をいかに効率的に引き出すかであるが，実際には，人数が多いことや限られた時間内で教育を行うため，個々への対応が十分には行われていないのが現状である．本教材は，教育担当者の経験をもとに，学習者から思考力と共に3つの能力を引き出すための様々な工夫を行った．さらに学習結果の保存や継続的な学習ができるようにシステムを開発した．評価の方法は教育担当者による対面での学習成果の把握ができないため，これを補う方法を検討している．
神戸雅一，佐藤宏之（NTT 情報流通プラットフォーム研究所）
COLLABONAVIとはネットワーク上に構築した学習空間において，文字ベースの非同期メッセージの参照・記入によるコミュニケーションを主体とした協調学習を支援するシステムである．本稿では，協調学習における学習者の活動に焦点を当て，「個人による情報の内化」「個人による情報の外化」「グループによる情報の内化」の3つの状態をもつグループ知識体系化モデルを提案するとともに，そのモデルの妥当性に関する検証実験について報告する．
猪俣敦夫，落水浩一郎（北陸先端科学技術大学院大学）
遠隔学習と呼ばれる学習システムの多くは，学ぶ立場ではなく，教える立場において主に設計されている．本報告では，学習者指向，状況指向，コラボレーション指向に基づく学習体系をオンデマンド学習と呼ぶことにし，新たな学習形態としてオンデマンド学習支援システムの要件を洗い出し，問題解決に向かう．その要件をいくつか実現したプロトタイプシステムを実装し，洗い出した要件の有効性について評価，検証する．
香川修見（広島国際学院大学） 片山薫，上林弥彦（京都大学）
テレビ網やインターネットによる現在の遠隔教育は多数の学生との会話性に問題がある．本稿で述べるVIEWClassroomはネットワーク・協調ハイパーメディア・オブジェクト指向データベースを要素技術とし，地域的および時間的な分散環境にある学生と教師によるリアルタイムでの一斉教育を基調にした仮想教室を実現する遠隔教育システムである．同期・非同期の会話モデルに基づいて講義・ノート・会話・質問回答が教師と学生の間の1対多の会話として成立する場を提供する．システムは現実の教室における教育学習を拡張するだけでなく，コンピュータネットワークによる新たな学習環境の創成を目標としている．
君島浩（富士通ラーニングメディア）
情報リテラシーを指導する情報化リーダへ教育技法を教えるウエブベース教材を受託開発した．この教材は中央情報教育研究所からネットワークおよびCD-ROMで無償で提供される．情報リテラシーの教育方法をこの教材でどう取り扱ったかを述べる．
中村輝雄，中駄康博，澤村雅之（日立ソフト）
2002年から始まる小中学校における情報教育，そして2003年から始まる高校における情報教育に向けて，学校での教育の情報化とはどうあるべきか，さらに情報リテラシ教育で使われる教材ソフトウェアとは何かを検討するため，そのリファレンス・システムの開発を行っている．今回は，これまでに検討してきたリファレンス・システムの概要と，そのシステムを使って行う検証実験について報告する．
辻政昭，石川潤子（日立インフォメーションアカデミー） 矢川雄一，山岸純子（日立製作所） 武井惠雄（帝京大学） 中川正樹，小谷善行（東京農工大学） 大岩元（慶應義塾大学）
2003年に高等学校では新しい教科「情報」が設置される．全ての高校生が情報教育を受けることが必須となる．新しい指導要領は，情報教育の中に，コンピュータや通信ネットワークを利用した実習を積極的に取り入れることを示している．本稿では，高等学校の教師が高校生の情報技術を育成することを支援する，体系的な対話型の電子教材を開発することを提案する．
西山晴彦，矢川雄一（日立製作所） 山岸純子，辻政昭（日立インフォメーションアカデミー） 中川正樹，小谷善行（東京農工大学） 武井惠雄（帝京大学） 大岩元（慶應義塾大学）
初等中等教育では，2002年頃より情報教育の導入が計画されているが，今日の教育の現場ではまだその変化に対応しきれないという問題がある．本稿では，特に情報教育に適切な教材が教育の現場で豊富に揃うことを狙い，教材の開発，及びカスタマイズを容易にする教材開発環境を提案する．教材開発環境として，教材としてのテーマを持ち，プログラミングせずに，簡単なカスタマイズのみで教材を開発できるマルチメディア教材基礎プログラムと，教育的目標を持ち，それ自身を組み合わせることにより，簡単にオリジナルな教材を開発できるマルチメディア教材コンポーネントを提案し，その概要を示す．
日時：1999年 10月 22日（金） 13:00〜17:15
会場：大阪市立大学 学術情報センター(メディアセンター) 10F 大会議室
河村一樹（kawamurk@mail.sp.myu.ac.jp 宮城大学 事業構想学部）
デザイン情報学科の情報システムコースでは，情報システム学教育を取り入れ，システムエンジニアの育成を目指している。その中で，筆者は，情報システムの構築のために必要となる方法論や技法を教授する「情報システム設計�機Ν供廚鮹甘�している。これらの科目の演習において，構造化技法をベースにしたCASEツールを導入している。本稿では，以上の内容に準拠した「情報システム設計�機Ν供廚亮�業設計について述べる。
御手洗理英（筑波大学大学院）
インターネットは，物理的・時間的制約から従来の形態では学習が難しい人でも教育の恩恵を受けることのできる場を提供する，重要なインフラである．筆者は，インターネットを用いて大学や大学院レベルの教育を行うフレームワークおよびそれを支援するソフトウェア（これらを「バーチャル・カレッジ」と総称する）について検討し，またそのプロトタイプを構築しようとしている．本稿では，インターネットを用いた既存の教育システムの特徴と問題点を整理し，その問題点を克服する，よりよいフレームワークを提案する．
太田聡（ohtasat@ip.kyusan-u.ac.jp 九州産業大学 商学部）森山聡（moriyama@kitakyu-u.ac.jp 北九州大学）
21世紀の高度情報化社会に向け，各方面で情報教育のあり方に関する検討が行われている．しかし，情報化技術が急速に変化していく中で，学生（文系）側の学習動機付け（インセンティブ）に関しては必ずしも十分な検討は為されているとは言えない．今後，教育カリキュラム改定(2003年)によって，情報教育の一般化と高度化が展開されていくが，逆に学生間の能力格差は学習意欲の相違などによって一層拡大することが予想される．ここでは，それらの問題点に対し検討を行い，既存文系学部での情報リテラシー教育においてどの様なインセンティブを学生に与えていくべきか検討を開始したので，その経過を報告する．
藤森洋志（麗澤大学 国際経済学部）
現在，大学の情報教育の現場で，基礎学力と学習意欲が低下したことなどによって，大学の授業とは思えない驚くべき現象が起きている．この状態を放置するといわゆる「学級崩壊」が大学の情報教育の場でおこっても不思議ではない．学級崩壊によって情報リテラシ教育が成り立たなくなると，学生がネットワークを不正利用したり，逆にネットワーク犯罪等の被害者になる危険性がある．この論文では，情報リテラシー教育の現場における「学級崩壊」の兆候となる現象を報告するとともに，この状況にどう対処すべきかについて，教育体制を含めて提言を試みる．
山岸純子，小川徹，田中匡史（日立製作所）辻政昭（日立インフォメーションアカデミー）小谷善行，中川正樹（東京農工大学 工学部）武井惠雄（帝京大学 理工学部）大岩元（慶應義塾大学 環境情報学部）
初等中等教育では，2002年より情報教育の導入が計画されているが，今日の教育の現場ではまだその変化に対応しきれないという問題がある．こうした状況に対応するため，「初等中等情報教育のための教材開発と教育支援プロジェクト」を発足し，情報教育に適切な電子教材の開発，教師による教材作成およびカスタマイズを容易にするソフトウェアの開発，そして情報技術に詳しい大学生などによる現場の情報教育を支援する体制の実証実験を行っている．本稿では，本プロジェクトの概要と小・中・高等学校における情報教育支援体制の実験について報告する．
松浦 敏雄 matsuura@media.osaka-cu.ac.jp, 石橋 勇人 ishibashi@media.osaka-cu.ac.jp, 安倍 広多 k-abe@media.osaka-cu.ac.jp（大阪市立大学 学術情報総合センター）
本稿では，多数の学生が利用する教育用計算機システムの満たすべき要件を挙げ，大阪市立大学学術情報総合センターにおける教育用計算機システムがこれらの要件を満たしているかどうかを考察した．主な要件として，システムを運用・管理するために必要な端末の集中管理方法，セキュリティ対策，および，利用者へのサービス体制等について触れている．
日時：1999年 12月 6日（月）13:30〜17:30
会場：宮城大学 本部棟2F 多目的室
河村一樹，斐品正照（宮城大学 事業構想学部）
1997年４月に開設された宮城大学におけるデザイン情報学科の情報システムコースでは，情報システム学教育を実践している．今年で２年間が経過したことより，現在が教育内容について評価する中間点になっている．そこで，情報システムコースにおける教育実践の経過とその評価について報告する．
斐品正照，河村一樹（宮城大学）
この試みは合宿形式の情報教育であり，今年（1999年8月）で２回目になる．昨年は，大学教員と大学生TA（Teaching Assistant）の支援により塾生はホームページの作成技術を学んだ．しかし，その学習は塾生個人の世界に閉じてしまっていたとえる．そこで，今年の方針は，塾生同士が協同して作品を作るという一種の協同学習を目指した．TAは塾生の協同学習を支援した（一人のTAあたり４人の塾生を担当）．筆者らは，塾生の協同学習を支援したTAも，学習者として参加したことになると見ている．筆者らは，この試みを検証するために，以下の（１）〜（４）の記録を分析することにした．
（１） 塾生を対象にしたポストアンケート
（２） 各塾生グループが作成した作品（ホームページ）の評価
（３） 大学生TAによる塾生の指導記録（カルテ）
（４） 大学生TAを対象にしたプレ・ポストアンケート
本論文では，今年の教育実践の概要と（１）〜（４）の記録結果を報告する．
石原慎士（聖和学園高等学校）中野充（石巻専修大学大学院）
企業活動においては，情報の共有が進み，エンドユーザの役割が高まってきている．一方，個人情報の保護など情報の扱い方に関する認識が県など地方行政をはじめ各所で議論されている．本稿は，高等学校情報教育において情報共有を取り入れた授業展開方法を確立するための試験的な例について述べる．
庄司文由，長登康，隅谷孝洋，中村純，永井克彦（広島大学）
広島大学における一般情報教育の現状を報告し，Linux端末を用いた一般情報教育のためのシステム構築状況を紹介する．また，その中で明らかになった一般情報教育にLinux端末を用いることのメリット，デメリットを詳細に検討し，現時点における問題点を考察する．
渡辺博芳，荒井正之，武井 惠雄（帝京大学）
本論文では，COMET/CASLを教材としたCPUとアセンブラ授業において，提示した課題に対して学生が作成したプログラムの評価作業を支援する方法について述べる．本研究で対象とする評価作業は，評価対象のプログラムが提示した問題の題意を満たしているかどうかの判定とそのプログラムに対するアドバイスの作成である．そのようなタスクを計算機で行う方法として，(1)プログラムの動作の評価と(2)過去の評価事例に基づくプログラムの実現方法の評価を行う手法を提案する．また，実現した評価支援システムにおいては，事例の豊富さに応じて評価モードを選択可能，教員を支援するためのWebベースの使い易いインターフェースなどの特徴を持たせた．本システムを実際の授業で用いて評価を行ったところ，教員のプログラム評価の作業負荷を大幅に減少できることが示された．
角真慈，田畑克哉，稲葉寛樹，目代恵子，林雅子，伊藤龍太郎，中澤祐一，山崎沙智芙，小林忍，迫谷人志，平岡信之，和田勉（長野大学）
情報処理のための教育支援ソフトウェア・電子教材・教育支援プロジェクトの一環として，全国で情報教育支援事業の実験が行われている．我々は長野県におけるその1サイトとして実験に参加し，同じ県内の小学校において1ヶ月間TeachingAssistant(TA)として授業支援を行った．今回は学部生により，臨時で編成されたチームで，そのチーム作りを含む準備から実行段階まで学部生主体で進めてきた．本稿ではその取り組みと，学部生の視点から得られた問題点について報告する．
駒谷昇一（NTTソフトウェア）
インターネットによる電子商取引やサプライチェーンマネージメントなど，今までの常識とは異なる新しいビジネスモデルが次々と生まれてきているが，その背後には情報技術とネットワーク技術がある．EUCなどにより，情報システムを使う立場や発注する側にも情報システムに関する理解が不可欠になってきている．特に，技術的な知識以外のそのシステムが社会に与える影響や情報弱者への配慮などの教育が不可欠である．そのために，情報システムや社会のパラダイムがどう変わり，また変わろうとしているのかなどを情報という切り口から眺めた講義を大学の一般教育課程で行ったのでその報告を行う．
吉井潤（NTTソフトウェア）
2003年から始まる高等学校普通教科「情報」の教材をIPAの公募プロジェクトの一つとして作成している．教材は，WBT(Web-based Training)をプラットフォームに利用できるものを作成しており，情報の教師育成向け教材と情報の授業で利用できる教材と二種類を作成する予定である．今回は，その教材のカリキュラムを紹介する．
日時：2000年 2月 18日（金） 10:30〜17:00
会場：情報処理学会 会議室
清水英典(shimizu@lab.tamagawa.ac.jp 玉川大学)
玉川学園幼稚園部から高等部までの学校全体の情報教育への取り組みとして，生徒，教員全員が参加し，さらに家庭から保護者も参加する教育用情報コミュニケーションネットワークCHaT Net(Children Homes and Teachers Networks)の運用が1998年度より開始された．これは，FirstClassによるBBSを中心としたネットワークとWebの活用で，特に児童生徒の家庭と学校とをIPにより接続することにより，学校と家庭とが双方向の情報の流れを持つという点に特色がある．今回はこのCHaT Netの運用過程で行われたカナダ及びオーストラリアからの遠隔教育の試みについて報告する．この様子の詳細は以下のホームページで確認することができる．
http://www.chatnet.tamagawa.ed.jp/9906canada/
http://www.tamagawa.ed.jp/9910wsc/
冨澤眞樹，神沼靖子(前橋工科大学)
我々は，光無線LANで接続された2つの研究室間で双方向遠隔学習システムを構築している．その実験システムは，無線LAN(光式と電波式)やATMスイッチに接続された端末とVODサーバなどで構成されている．双方向遠隔学習は，VODサーバによるマルチキャスト配信とユニキャスト配信を適宜切替えて実施される．各端末に途切れることなく映像を配信するには，ネットワーク性能と配信方法に応じたMPEG映像のビットレートで配信する必要がある．我々は，適切なビットレートを求めるために実証実験を行い，どのような端末からでもユニキャストならば1Mbps，マルチキャストならば700kbpsで配信できることが分かった．
佐野洋( sano@fs.tufs.ac.jp 東京外国語大学)
不特定多数の学生利用者が，Webブラウザを利用し，インターネット経由で学生情報を閲覧したり管理することのできるグループウェアシステムを開発した．グループウェアの基本設計と開発は，オープンソースであるSkyboard(R)(トップマネージメントサービス(株))を利用した．基本機能を再利用することで，自組織の利用者(学生)が使い易いインタフェースを持つシステム開発を低コストで且つ，短い開発期間で実現することができた．オープンソースソフトウェアの利用促進の一事例として，ソースコードの提供のあり方，活用，修正や変更に必要な条件を検証した．提供側のソフトウェアの汎化の方法論と利用側のコードの再利用の仕方について，ソフトウェア設計上の視点から問題点を挙げる．
横山明子，河村瞳，武井惠雄(帝京大学) 霜田貢(栃木県総合教育センター)
本研究の目的は，「教材開発環境の開発と実験用教材の開発」によって開発された教育資源の有効性を検証することである．そして教育開発支援ソフト「教材開発環境」"InfoStudio"を，現場の教員に試用して教材を作成してもらうという実証実験を実施した．そしてその作成の過程を観察した．その結果，プラットフォームフリー，カスタマイズ可能であるというこのソフトウェアの特色は非常に有効であることがわかった．それと同時に教員の教材に対する要求は非常に多岐にわたっており，特に「機能の可変性の容易性」についての要望が高いことがわかった．さらに，情報教育における支援体制の必要性と，その構成要因としてのTA(Technical/Teaching Assistant)の意義も明らかにした．
北憲一郎，吉場慎二，冨樫雅文，大岩元(慶應義塾大学院)
Ted Nelsonによって提唱されたTransPublishingの概念に基づいて開発されたHyperTransaction System(HTS)を用いて，2003年度から高校に設置される新教科「情報」の教科書案の作成を行った．本教科書案では情報処理学会のワーキング・グループによってHTMLで作成された「情報」試作教科書を素材としてその構成要素の文章や図を引用しつつ再構成することによって作成した．この過程でインターネットにおける引用の諸問題を解決すると共に，電子化された「情報」教科書の作成方法について新たな可能性を示した．
原田康也，楠本範明(早稲田大学) 辰己丈夫(神戸大学)
「教育の情報化」という名のもとに，学校教育の現場を中心として「教科教育の情報化」と「情報(科)の教育」が混交した議論が多く見られるが，この二つは厳密に区別すべき概念である．しかし，実際の授業実践においては，「(情報倫理を含めた)情報の教育」において「教科教育の情報化」に習った授業実施計画ならびに実践手法が有効である．例えば，大学における今後の情報リテラシー教育においては，教科教育における情報化に際して常套的に用いられる手法である内容主導の授業実施計画を「情報の教育」に応用することが有効である．
堀内征治，三井健太郎(長野工業高等専門学校) 中川正樹，小谷善行(東京農工大学) 大岩元(慶應義塾大学)
現在，教育の情報化を推進しようとしている多くの中学校では，教師・生徒の両者が，情報処理学習環境になんらかの支援を欲している．そこで，中学生との年齢差が比較的少なく，かつ情報技術に精通する高専学生が中学校を訪れ，実際の教育現場で情報教育支援を行った．この試行による成果および課題などについて報告する．
酒井創(sakai@fukushima-cw.ac.jp 福島女子短期大学) 吉田等明(hitoaki@iwate-u.ac.jp 岩手大学) 渡部昌邦(masakuni@abu.ne.jp 福島県教育庁) 石橋和彦(kishibashi@ed-center.hanamaki.iwate.jp 岩手県総合教育センター) 渡辺景子(kwatanab@iwakimu.ac.jp いわき明星大学) 柳田久弥(yanagida@fuji-u.ac.jp 富士大学)
去る1999/11/20(土)，岩手県・花巻温泉において「教育と地域の情報化を考えるシンポジウム(略称：SPER99 in HANAMAKI)」が開催され，東北地方を中心に120名を越す初中高等教育関係者及びネットワーク事業関係者が参集した．ボランティアによる手作りから始まった，このシンポジウムの実施内容及び開催に至る組織・準備内容等について報告する．